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2022.6.30ドローン事業

ドローンで農薬散布が出来る!押さえておきたいポイント徹底解説

農薬 ドローン 規制

現在、日本の農業には沢山の問題があります。離農や高齢化による担い手不足などもあり3K(きつい、危険、稼げない)というイメージも多くあるのが現状です。

しかし、これからの農業のキーワードは「スマート農業」です。

『スマート農業』とは、ロボット技術やIoT(モノのインターネット化)、ICT(情報通信技術)等の先端技術を活用し、作業負担の軽減や作物の品質向上をはかる新しい農業の形です。自動走行のトラクターや田植え機、収穫用ロボット、農業用ドローン、植物工場などがスマート農業にあたります。

この記事では特にドローンによる農薬散布について、法律やどんな準備や申請が必要なのかを徹底的にお伝えしていきます。

ドローンを扱うなら知っておきたい「航空法」

農業用としてもそれ以外としてもドローンを飛行させるのであれば、絶対に知っておきたい法律それが「航空法」です。

航空法に基づいて特定の空域や飛行方法が規制されており、以下全ての事項でドローンを飛行させることが禁じられています。

  • 空港周辺の空域
  • 人口集中地区の上空
  • 150m以上の高さの空域
  • 日没後、日の出前の飛行
  • 目視外飛行
  • 人や物との距離が30m未満での飛行
  • 催し物会場での飛行
  • 危険物の輸送
  • 物の投下

ですが、農薬散布の場合、農薬を搭載するのに「危険物の輸送」、散布するのに「物の投下」が当てはまります。

そのため農薬散布をするなら、この2つの飛行方法をするための許可承認を国土交通省から得るために事前に許可書類などを揃えて提出し、許可が下りてからでないと農薬散布用ドローンを飛ばすことができません。

農地の範囲、農薬散布の作業時間によっては「日没後、日の出前の飛行」「目視外飛行」に当てはまる場合もあるので、事前にどの時間帯にどのような飛行条件や飛行場所で飛ばすことを想定しているのかを考えておくと良いでしょう。

ドローンで農薬散布するなら「空中散布ガイドライン」

2019年の7月に農林水産省によってドローンの農薬散布の規制緩和がありました。規制緩和が行われる以前は、一般社団法人農林水産航空協会が発行する農薬散布オペレータードローン免許の取得や、指定業者による定期点検が定められていましたが、緩和後はこの両方の規定が無くなりました。

その代わりに制定されたのが「空中散布ガイドライン」です。改定後、ドローンの整備は各操縦者の責任となり、操縦技術があるかどうかは航空法の許可申請の際に審査されます。

具体的にどんな操縦技術が必要かというと、基本技術の取得として10時間以上の練習実施が定められており、技術の内容として

  • ドローン離着陸
  • ホバリング
  • 左右方向への移動
  • 前後方向への移動
  • 水平面内での飛行といった様々な技術習得が必要とされます。

さらに業務実施に必要な技術取得として、8の字飛行などさらに高レベルな技術が5回連続して安定的に実施できるかというものや、実際にドローンに水を入れた状態で空中散布の訓練を5回以上行うといった練習が必要です。

操縦練習の際には、十分な経験を有する者の監督の下で行い、訓練場所は許可等が不要な場所又は訓練のために許可等を受けた場所で行うとされています。

これまでのように数十万円かけて、学校に通う必要も無くなったことも嬉しいポイントですね!

どうやって飛行承認申請をする?

飛行申請は飛行予定日の10開庁日前までに、申請書、機体・飛行させる者・体制について安全確保のための基準に適合していることを示す書類、資料を併せて飛行予定場所を管轄する空港事務所または地方航空局へオンライン申請、または郵送、持参のいづれかの方法で提出します。

飛行予定日の10開庁日前までに申請ということですが、必ずしも10日以内に承認が下りるという訳ではありませんので、余裕をもった申請をしてください。

また申請は、ドローンを飛ばす個人だけでなくメーカーや販売代理店による代理申請も可能です。

空港事務所、地方航空局の管轄区域はこの記事の最下部に参考としてリンクを掲載するので飛行予定場所を管轄するのはどこか、ぜひ事前にご確認ください!

規制緩和でドローンの普及が拡大!

規制緩和により、「緩衝区域」という立ち入り管理区域(農薬散布範囲の外側に設定し、人や車両に注意を促すもの)を設ければ補助者を配置する必要が不要になっていたり、双眼鏡を持った補助者が入れば、目視外飛行を実施することができるように変わりました。

また、「機体の向きを視認できる灯火が装備された機体」を使用して夜間飛行を行うことも可能です。

このような制度の変化により、かなり農薬散布をドローンで行うことへのハードルが低くなったように感じます。ドローンは購入やレンタルなど様々な入手方法があり大きさなどによっても価格が変動していきますが、毎年かけている時間や人件費と考えると決して高い買い物ではないのではないでしょうか。

また今後は農薬散布だけでなく、人工授粉、収穫物運搬、肥料散布、鳥獣被害対策などの分野でもさらなる活躍が期待されています。

今後の農業ではドローンを使用した農作物栽培が「当たり前」になるかもしれませんね!

今回の記事でお伝えした通り、ドローンを飛ばすのにはドローンの操作技術の訓練が必要だったり事前許可申請が必要になり、欲しい!と思ったすぐには使用できません。

ですので「うちではドローンは使わない!」と思ってもドローンの性能やドローン飛行申請資料を眺めておくだけでもいざ必要になった際に助かることがあるかもしれません。

少しでも気になった!という方は以下より資料請求やお見積お待ちいたしております!

参考(国土交通省航空局):https://www.mlit.go.jp/koku/04_outline/02_anzen/03_keiryo/02_anzen/jimusyo.html

参考(ドローンで農薬散布を行うために):https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/attach/pdf/drone-132.pdf