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2022.6.8ドローン事業
テレビのCMや映画の撮影などでも活用されることが増えてきたドローンは、今や単なる遊び道具ではありません。ドローンの特徴を最大限に生かした取り組みが、ドローンの災害調査です。災害時など緊急を要する場に、ドローンが実用化されつつあります。ドローンが災害時に強い理由は、その手軽さにほかならないでしょう。ヘリコプターのような大型機体よりも、離陸までに時間も掛かりません。人が乗り込むことはできませんが、それ以上に活用できる幅が広いのがドローンです。
今回は、災害時に活用されだしたドローンについて紹介します。
目次
災害時にドローンが活用される理由は、なんといってもそのコンパクトなボディー、そして軽量で持ち運べることにあります。そして、飛行機やヘリコプターのように離陸までにそれほど時間も掛かりません。緊急を要する災害時には、ドローンの手軽さは何物にも代えがたいといったところでしょう。
一早く助けが必要な場所の様子を見ることができ、それにより負傷者がいればドクターヘリへの連絡も敏速にできます。ドローンが先回りして現地の状況を本部に連絡できれば、ドクターヘリはその間に離陸準備ができるため、結果的に速い対応ができるようになります。
そして災害によって隔離されてしまった地域の様子も、上空から一番近いところで現場の状況を確認することができます。これからどんどん災害時には、ドローンが活用されていくことになるでしょう。
災害時にドローンを使うとどんなメリットがあるかまとめてみました。
以上のように、あらゆる状況に対応できることが分かるのではないでしょうか。
現地の災害状況によっては、とても人が入り込めない場所も大きな被害を受けていることがあります。特に山間部などは、容易に確認できません。また災害時は、電話やスマホなどのライフラインが断絶し連絡が取れない可能性も出てきます。
しかし、どうにかして現状を知りたい場合にドローンが役立ちます。ドローンなら上空から災害場所の状況を確認できるので、その状況を把握した上で次の対策に動き出せます。これは山間部に限ったことではありません。便利のいい街中であっても、一度大きな災害に見舞われると都会のように高いビルなどの建物が崩壊し、何が落ちてきても不思議ではない状況になります。簡単にその場に行くことはできません。
そんな状態でもドローンであれば、人命を危険にさらすことなく現地の状況を確認することができるのです。
捜索が困難を極めた場合、創作活動は朝から晩まで行われることもあります。災害用ドローンには、通常のカメラ以外に赤外線カメラを装備することによって、人の体温を検知することができるようになっています。
目視だけではそこに人がいるか分からない状況でも、赤外線カメラに映し出された映像から、いち早く人の存在を確認し救助に向かう対応が組めます。
さらにあたり一帯を上空から見渡せるので、人を探すと同時にその場所の被災の度合いも確認することができます。どの場所が一番被害が酷いか分かれば、おのずと救助の優先順位が分かります。
災害発生時には二次被害として火災が起こります。消防車も入れない狭い地域の場合、ドローンで上空から消火剤を散布することができます。
応急処置的な対応ですが、災害の拡大を少しでも減らすことができれば必要不可欠なことでしょう。
大災害が起これば都心のような街中でも、容易には足を踏み入れられなくなります。それが山間部や離島ならなおさらです。そうした場合にも、救助に向かうまでの数日過ごせるように救援物資を運ぶことも可能です。
2021年には、航空機製造事業法の総重量規制を緩和し、規制対象を現行の最大150kg以上から、300kg以上に引き上げることも政府が検討しています。特に輸血などが必要な患者がいる場合は、こうしたドローンが大きな役割を果たします。もちろん輸血が必要な患者がいた場合というのは、その場に医療関係者がいてその状態を確認しての話です。
災害時は道路も寸断されていることもあるため、そういうときはドローンが大いに役立ちます。
ドローンの最大の特徴は、上空から俯瞰できることです。その特徴を生かして災害時にどのように行動するのが適切かを検討するために、ハザードマップを作成することも可能になります。天候のいい見晴らしがいい日程を選んで、広範囲にわたって上空からさまざまな場所を写真や動画で撮影、3D測量も行いながら、効率のいいデータを作成することが可能です。
測量範囲が大きかったり地形の形状によってはデメリットにもなり得るのですが、改善の余地はあるため今後もっと便利に扱えるドローンが現れる可能性はあります。
災害時のドローン活用にはメリットしかないようにも思えますが、メリットがあればデメリットもあります。以下に災害時にドローンを活用する時のデメリットを見ていきましょう。
一番ドローンに大きく影響するのが、この悪天候時の飛行です。悪天候を細かく分類すると、以下のものがあります。
1.風速
あまり風が強すぎると思うように目的地まで飛行ができず、場合によっては墜落の危険も出てきます。
2.気温
気温が低すぎるとドローンの性能に影響することがあります。気温が低いことによって性能が落ち、結果飛行時間が短くなってしまうのです。
3.降水確率
ドローンはいわゆる精密機器ですから、水に塗れると機体の故障の原因になります。
ドローンは通常でも30~40分程度しか飛行できません。さらに、積載総重量が重いと、飛行速度も当然落ちます。飛行速度が落ちるということは、目的地に到着する時間も通常より時間が掛かることになります。最近では燃料を積んで飛行できるドローンも開発されていますが、災害時にどれだけ役立つかが問われるところです。
実はドローンの通信時の電波は、Wi-Fiと同じ2.4GHz帯です。そのため、航空法だけではなく電波法を遵守する必要もあり、その範囲内の飛行に限られてしまいます。山間部まで飛行できても電波が途切れると写真や動画の撮影も困難になります。
こういったことも想定してドローンには電波が途切れた際、自動的に帰還する機能を搭載しています。
ドローンを災害時に利用するなら、困難な場所での飛行も余儀なくされるため、高度な操縦技術が求められます。
自治体は操縦スキルの高い人材を多く揃えておくことが重要になってきます。ドクターヘリのように災害時など緊急現場に向かわせる災害時専用としてドローンを揃え、操縦スキルの高い人材を育成するなど業界全体で取り組んでいかなければなりません。
ここからは、過去に実際の災害時にドローンを使った事例をご紹介します。
1.ネパール大地震
引用:Nepal Earthquake Aftermath Drone Footage|YouTube
2015年(平成27年)4月、ネパールで起きた大地震もドローンによる空撮で世界中に被害の大きさを伝えました。被害の大きさが改めて自然災害の恐ろしさを知らしめることにもなったでしょう。
2.熊本地震
引用:ドローンで不明現場調査 熊本地震、車体回収へ |YouTube
2016年に起きた熊本地震で、ドローンは行方不明者の捜索に活用されました。
3.九州北部豪雨
引用:九州北部豪雨 被災地のドローン映像を公開|YouTube
2017年に起きた九州北部の豪雨では、人が立ち入れない困難な場所も空撮し被災地の状況をリアルタイムで見ることができ、政府や各自治体の災害対応に大いに活用され、行方不明者の捜索活動にも一役買いました。
ドローンは軽量で持ち運べる手軽さと小回りが効くことが、最大のメリットになっていますね。
今回は、災害時にドローンが活用され始めている情報をお伝えしてきました。
まだ改良しなくてはいけない課題もいくつかありますが、それでも一刻の猶予も許さない災害時には、既にドローンは必要不可欠になっていると考えられます。