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2022.5.17法令改正関係
日本でドローンを飛ばす際はDID地区の理解を深めておかなければいけません。なぜならDID地区はドローンの飛行が禁止されている区域だからです。そもそもドローンの飛行は、人が居ない海岸沿いや山中などであれば、比較的規制に違反することなく、自由に無人航空機を飛行することができますが、人の往来が多いと落下事故が発生した際に衝突してしまう危険性があるため規制されています。
この記事では、DID地区でドローン飛行をしてはいけない規則の内容や、DID地区かどうかの確認方法などをご紹介していきます。
目次
ドローンを飛行させるときは、DID地区のことを理解しておかなければいけません。DID地区とは、人口集中地区といい「人口密度が1k㎡あたり4,000人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、それらの隣接した地域の人口が5,000人以上いる地域」のことです。DID地区に指定されている区域では、基本的には勝手に無人航空機を操縦することが禁止されています。つまり「DID地区=飛行禁止エリア」となります。
例えば、日本の人口はアメリカの3分の1ほどしかいませんが、面積はアメリカの約26分の1しかありません。広大な土地を持ち、人口密度もあまり高くない米国ではドローン規制を受けずに機体飛ばせる範囲は広いでしょう。日本は面積が狭いのでどうしても人口が密集して居住する地域が多く、無人航空機が飛行できる範囲が狭まります。
DID地区では、基本的にはドローンの飛行禁止区域ですので、勝手に飛行させてはいけません。周りに建物がなく人も居ないから危険ではないだろうと思って無人航空機を飛行させると、航空法違反で罰則や罰金の対象となります。
しかし、DID地区では絶対にドローンを飛ばすことが出来ないわけではありません。航空法は国土交通省が定めていますので、国土交通大臣の許可を貰うことができれば飛行可能です。そのためにはドローンを飛行させる前に国交省による、DID地区での無人航空機の操縦及び飛行の許可申請を行う必要があります。ドローンの安全性確認、操縦者の情報など、安全な飛行のためにさまざまな基準を満たす必要があります。
よく勘違いしやすいのは、私有地がDID地区に定められている場合です。この場合私有地であっても、趣味や試し飛行も必ず国土交通省に無人航空機の飛行許可が必要です。
なぜ、DID地区の私有地でドローン飛行が厳しく管理されるのかというと、万が一機体が風に煽られて私有地外に出てしまうと、対人・対物事故を起こす恐れもあるからです。ドローンは、機体の重量が数百グラム程度しかないため、飛行させていると風の影響を受けやすいからです。
また、人口集中地区の私有地であれば通常の地域と比較すると人の往来や交通量も多くなるので、それだけ事故の危険性が高まります。
従来は200g以上のドローンが航空法や他の法律・ルールの規制対象でしたが、航空法の改正で100g以上のドローンまで基準が引き下げられました。100g以上の無人航空機もDID地区で飛行禁止となっています。
なぜなら機体の重量が軽くなればなるほど、上空の風に影響されやすくなり、事故の危険性が高まるからです。無人航空機の落下事故を防ぐ為にも、100g以上のドローンがDID地区で飛行禁止となるのは仕方がないことでしょう。
DID地区での飛行は禁止されていますので、飛行前に予定場所がDID地区に指定されているかを確認しなければなりません。DID地区の確認は5つの方法で見ることができます。参考にしてみてください。
航空法を定めている国土交通省の公式サイトで、DID地区の確認をすることが出来ます。人口集中地区境界図が閲覧できます。
国土地理院のサイトで公開している、「地理院地図」でDID地区(人口集中地区)になっている場所を確認できます。現在は、2015年の国勢調査で決定した人口集中地区の情報を見れるようになっていますが、DID地区の範囲が広まれば今後も更新されていくでしょう。
jSTAT MAPとは、誰でも使える地理情報システムです。国土交通省の公式ホームページ内にjSTAT MAPの使い方がわかるマニュアルが掲載されているので、参考にしてください。
スマホアプリでもDID地区が確認できます。iPhoneをお持ちの方は、Apple Storeでドローンフライトナビ – 飛行制限確認地図のアプリをダウンロードしてみてください。GPS機能を使って、現在位置が航空法の規制区域なのかどうかを判別することが可能になっています。
自治体のホームページでDID地区かどうかを判断することもできます。自治体ごとにわかりやすくまとめられているので、各サイトをご覧ください。
DID地区(人口集中地区)とは、人口が密集して居住するエリアのことで、ドローンを無許可・無申請で飛ばすことは禁止されています。ただし、国土交通省の許可申請が通り、機体の安全基準を満たす無人航空機であればDID地区でもドローンを飛ばすことが可能になりますが、かなりハードルは高いでしょう。ルールを守って正しい利用を心がけましょう。