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2022.6.1ドローン事業

ドローンを使った壁面点検のメリット3選!点検時の撮影技術を解説

 ドローン 壁面点検

建物の点検で実施される壁面点検ですが、これまでは技術者が全面を打診・触診などの方法で調査していました。しかし老朽化しているビルの増加に伴い点検が急がれており、作業員の手による人力だけではどうしても限界があります。

そこで、スピード感を持った壁面点検を可能にするのがドローンです。赤外線カメラを用いた撮影方法も取り入れる事で、技術者の点検よりも短時間かつ効率良く劣化具合を調査する事が可能になります。この記事では、ドローンの壁面点検のメリットや、点検時の撮影技術などをご紹介していきます。

ドローンを使った壁面点検のメリット

ドローン 壁面点検

外壁・壁面点検を定期的に行う事で、建物の老朽化のスピードを抑え、長持ちさせる事に繋がります。もし、点検しないままにしていると、建物の外装タイルの剥離事故が起きたり、ビルが突然崩壊したりする危険性があるため、全国の老朽化したビルの点検が求められています。最近では、ドローンによる壁面点検を提供するサービスが増えてきています。実際に、ドローンを使用することで3つのメリットがあります。

  1. コストが削減できる
  2. 時間が短縮される
  3. 業務効率が向上する

1.コストが削減できる

壁面点検では、通常技術者は足場を組む必要があり、大規模になればなるほどコストがかさんでいました。ドローンの利用により、操縦者は地上に居たままドローンを飛ばして建造物を空撮する事ができます。作業員が点検する際に組む足場や点検道具が必要がなく、機体だけで済むため費用コストが抑えられます。ドローンの飛行には、操縦者と機体確認者の最低2人がいれば可能なため、現場に揃える人員コストも抑える事ができるのです。

2.時間が短縮される

ドローンで壁面点検をする場合、調査する建物の外壁を空撮するだけで簡単に広範囲を調べる事ができるため、点検時間が短縮されます。作業員による打診・触診の点検方法は、足場を組むための車や機材を準備する必要があり、点検に入るまでの準備段階でかなりの時間をとられてしまいます。

また、建物の点検は高所作業になるので、作業員が直接、打診・触診などで調査している時に道具を落下させてしまい、下で作業している人に当たって怪我をさせてしまう恐れもあります。ドローンの映像を確認するだけで点検を行うことが出来るので、安全性や点検精度も高まります。

3.業務効率が向上する

ドローンを利用した点検では、映像・画像などで点検記録を電子保存しておくことが可能です。撮影時は壁面を撮影するだけで、帰社後に画像処理をして老朽化した箇所を探し出します。さらに過去の点検履歴を遡る事もできるため、外壁の時間経過を容易に把握できます。

ドローンを使った壁面点検の注意点

ドローン 壁面点検

ドローンによる壁面点検は非接触調査となるので、技術者による打診・触診点検が出来ないというデメリットがあります。壁面点検でドローンを使う場合の注意点を3つ紹介します。

  1. 画質が粗い可視カメラを使わない
  2. 可視カメラでは暗所の撮影が困難
  3. 法律が整備されていない

1.画質が粗い可視カメラを使わない

ドローンに搭載する可視カメラの画質が粗い場合、傷や破損の見落としに繋がるので注意が必要です。カメラの性能・機能によって点検が雑になってしまっては、せっかくのハイテク技術が最大限に発揮できないので意味がありません。

解決策

可視カメラではなく、点検用に開発された赤外線カメラを使用しましょう。赤外線カメラでは、建物内部の熱を感知して温度の差異を画像に表す事が出来ます。可視カメラだけ搭載された無人航空機では構造物の内部の状況までは把握する事が出来ません。赤外線技術を用いると、建物内部の損傷具合や浮きまで調べる事が可能です。

最近では、産業用ドローン専用に設計された赤外線カメラも発売されています。

2.ドローンの可視カメラでは暗所の撮影が困難

建物の形状によっては、点検する場所に日が当たらないところがあったりします。そのような暗所では、可視カメラで撮影してもハッキリと点検箇所が写りません。

解決策

建造物の内側の熱を感知して、建物の内部状況を調べる赤外線カメラと、外側からの撮影で構造物の破損や浮きなどを調査する可視カメラ。2つのカメラをドローンに搭載することで、診断や点検する位置をより明確にする事ができます。デュアルカメラにより、破損箇所や傷んでいるところを発見しやすくなるというメリットがあります。赤外線カメラなら熱撮写真を撮影する事が可能です。

3.法律が整備されていない

現状壁面点検は、5年に1度、技術者によって点検箇所を近接目視することが決められています。近接目視とは、触診・打診による点検方法です。ドローンは、触診・打音による検査を行う事が出来ないので、法定点検ではまだ利用することは難しいです。

まとめ

壁面点検にドローンを用いる事で、技術者による調査よりもコストが削減できる、時間が短縮される、業務効率が向上するなど様々なメリットがあります。

ドローンに搭載する可視カメラの機能・性能によっては、満足行くレベルの点検結果が得られない場合があるため、点検用に開発された赤外線カメラを使用したり、可視カメラと赤外線の両方を搭載したデュアルカメラを使用する事で、より緻密で計画的な点検を実現できます。

参考:法定点検等の実施|国土交通省