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2022.5.27法令改正関係

ドローンの機体認証制度はいつから?基準や罰則を分かりやすく解説

ドローン 機体認証

日本でドローンを購入し、操縦する人が増えてきました。それだけ、私達一般人にドローンの認知が広まり買うことに対する敷居が低くなった証拠でしょう。今ではプライベートだけでなく、企業や行政でも利用が進んでいます。 

ただし、操縦者や所有者に対して、きちんと守らなければいけないルール・法律が決められており、特に航空法は度々改正されていますから、定期的に確認していくことが大事です。

そして、ドローン業界の今後が変わっていくであろう「ドローンの機体認証制度」が開始されます。この記事では、ドローンの機体認証のスタートや内容をご紹介していきます。

ドローンの機体認証制度は2022年6月20日から

ドローンの機体認証制度とは、国土交通省が決めた無人航空機の安全基準に合うのかを、設計・製造過程・現在の状態という3つの観点で見極める制度です。制度の開始は2021年12月からとされ、現在制度導入に向けてさまざまな動きが活発になっています。

ドローン 機体認証

ドローンの安全基準に適合する機体ではない場合は国から整備命令が出ますので、所有者は点検・整備を改めて行う必要があります。

機体認証制度の基準

ドローンの安全基準に合格した機体は、機体認証が行われ機体認証書が交付されることになっています。機体の「強度・性能・構造」の面で安全基準に合格した機体は、機体認証が行われ機体認証書が交付されることになっています。

また、ドローンの機体認証が実施されるようになると、レベル4飛行(有人地帯上空での補助者が要らない目視外飛行)が実現できます。他にも、飛行リスクに応じてカテゴリーが分かれていて、現在はカテゴリーⅢ以上の飛ばし方をする時は機体認証が求められます。

2022年12月の航空法の改正では、レベル分けされた飛行の仕方やカテゴリーといった区分が新設されたわけではありません。「レベル4飛行=カテゴリーⅢ」に分けられると覚えておきましょう。

機体認証の必要性

そもそも、ドローンの機体認証は今まで法律で禁止されていた飛行方法を解禁するために始められます。これまで禁止されてきたレベル4飛行が出来るようになるということです。

具体的には、「高度150m以上の場所での飛行・空港近辺での飛行・催し場所での飛行・水や農薬などの散布」などができるようになります。ドローンの機体認証制度の実施により、例えば人がたくさん住んでいる都市部の上空を無人航空機が飛び、荷物輸送を行えるようになります。 

日本政府は、都市部の物流状況をより良くする為に、ドローン事業の発展に期待しています。2021年12月の航空法改正は、日本の物流業界や経済に大きな影響をもたらす可能性もありますね。

違反や整備不良の場合は罰則・罰金に注意!

2022年12月から実施されるドローンの機体認証制度ですが、申請を提出しても必ず許可が下りるわけではありません。整備不良で安全性に問題があったり、使用条件の指定範囲以外で特定飛行をしたりなど違反を犯した際は厳しい罰則・罰金などの対象になります。

ドローンの機体認証制度を知らないまま違反していても罪に問われることになるので注意が必要です。最悪の場合は、懲役数年や50万円以下の罰金の対象になります。

型式認証と何が違う?

ドローン 機体認証

ドローンの機体認証制度には、「機体認証」・「型式認証」があります。

機体認証:ユーザーが申請を行う

型式認証:メーカーが行う

機体認証制度は誰が申請を行うかで違いが分かれていて、型式認証は無人航空機の製造側が国土交通省に申請を出す事になっています。そして、国土交通省がドローンの安全基準に合格していると判断したら、型式認証が行われ型式認証書が交付されるようになっています。型式認証制度では、設計・製造過程の2つの観点が基準とされています。車で例えると、最初に製造メーカーが安全性に問題がないか確認するのが型式認証で、ユーザーがナンバー登録を依頼するのが機体認証のイメージです。 

そして、ドローンの型式認証・機体認証はどちらも種別が分かれています。

機体認証:第一種機体認証・第二種機体認証 

型式認証:第一種型式認証・第二種型式認証

このように、どちらも2種類の認証方式があり、無人航空機の飛行レベルに合わせて取得が必要です。第一種は国が検査を行い、第二種は登録検査機関が行います。

第一種機体認証

ドローンの第一種機体認証は、レベル4の飛行をする時に必要になっています。今までは、レベル4の飛行自体が法律で規制されていたので、無人航空機の使用条件が狭くなっていました。航空法改正でドローンが飛行できる場所が増えたり、飛行可能な高さが緩和されたりします。レベル3以下の飛行方法では機体認証は任意なので、必ず要るというわけではありません。

第二種機体認証

第二種機体認証は、「夜の飛行・対人対物の距離が30m未満・人口集中地区・目視外飛行」などが、許可・承認手続き無しで操縦できるようになります。ただし、レベル4の飛ばし方をすることはできません。 

また、第二種機体認証はドローン飛行許可承認申請を省略することも可能になります。レベル3以下の飛行、二等以上の操縦免許の所持などの条件があればドローン飛行許可承認申請が必要なくなる場合もあります。

型式認証を提示すれば機体認証の検査を簡略化できる

型式認証の安全基準に合格していると、機体認証の検査を簡略化できるようになっています。 

第一種型式認証:第一種機体認証に係る検査の一部を省略可能

第二種型式認証:第二種機体認証に係わる検査の全部、又は一部を省略可能

上記のように、型式認証の第一種と第二種で機体認証の検査条件が微妙に異なるので注意しましょう。

機体認証後もドローンの整備・点検が必要

ドローン 機体認証

ドローンの所有者は、機体認証が安全基準に適合していると国から認められた後も気を配っていく必要があります。機体認証をしたということは、無人航空機の整備・点検が義務付けられたということになります。

常にドローンが安全基準を満たすように機体の部品のメンテナンスをしたり、トラブルが起きないように点検が必要です。もし安全性に問題があると判断された場合は、国土交通大臣から整備命令が来たり機体認証の適合停止などの措置がとられる恐れもあるでしょう。

ドローン機体認証の有効期限は3年

ドローン 機体認証

ドローンの機体認証制度は、安全基準に適合しているかを見極めるものです。一度、国から認められたからと言って永久に効力が持続するものではありません。ドローンの機体認証制度は、有効期限があり車検のように機体を定期的に点検・整備する必要があります。有効期間は3年間で、2022年6月20日以前に事前登録した場合は2022年6月20日から3年間となります。車検切れした車が道路を走れないように、ドローンも機体認証の有効期間が過ぎたものはどんな条件でも飛行自体が出来なくなってしまいます。

まとめ

ドローンの機体認証制度は既に始まっており、2022年6月20日から登録が義務化されます。これから新規で機体を購入する場合はもちろんのこと、すでに持っている機体も対象となるため、今すぐネットや郵送で手続きをしましょう。

参考:無人航空機の登録制度|国土交通省

   無人航空機登録ポータルサイト|国土交通省